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Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える

米山公啓

Dr.よねやまの芸脳生活

芸術家の生き様を医学で考える

米山公啓

第二十回 芥川龍之介と自殺 ②

売れ始めた時に見える不安

黒澤明監督「羅生門」(1950年)では、大映京都撮影所の広場に建設された 巨大なオープンセットが話題になった

画/米山公啓

大学時代に「老年」で文壇デビューした龍之介は、その翌年の1915年(大正4年)春には、吉原通いなどをしている。前年、家族ぐるみのつきあいであった吉田弥生との結婚を、身分違いなどの理由で義父母から反対されているから、その痛手もあったのだろう。

それでも11月に、「羅生門」を文芸雑誌、『帝国文学』に発表している。

作家というのは実際の生活と、原稿の上での戦いがある。自分の人生において、様々な悩みの中で、書き続けるのは作家として当然である。しかし、なんらかのストレスを抱えながら文章を書いていくのは、いくら作家であっても苦しいものだ。

当時、失恋で思い悩んでいたとされる龍之介がそうした中で、名作、「羅生門」を仕上げていったのであるから、そのあたりはやはり作家としての才能かもしれない。

ただ、作家業というのは、自分の境遇を、自分の作品に取り込み、昇華させてこそ文章が書けるというものである。

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