転じ
上田岳弘
転じ
上田岳弘
誰もいないオフィスでこれを書いている。別に早朝とか深夜とかではない。この会社には創業期から関わっているから、例えば残業で深夜になって他に誰もいないことはあったし、急な出張が決まって新幹線に飛び乗る前に、資料を取るために寄ったオフィスに人影がないこともあった。でも今は真昼間、時間は14時台。つい二年前ならば、誰もいないなんてことは考えられなかった。
昭和の時代と違って今はメールもあれば、Slackなんかのグループワーキングツールもある。たいていの業務ならばそれで片が付く。電話だと資料を見ながらの打ち合わせはできないのだとしても、WEBミーティングツールを使えば、オフラインでの打ち合わせとそう変わらない密度のやりとりができる。
しかしそんなことは、新型コロナウイルスが世界中に蔓延を始める前からわかっていたことだ。「毎朝9時
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