Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える
米山公啓
Dr.よねやまの芸脳生活
芸術家の生き様を医学で考える
米山公啓
第十二回 川合玉堂と心臓病
長生きの画家
「屋根草を刈る」は玉堂が八十一歳のときの作品。若い頃の作風とは大きく変わっている
画/米山公啓
私は中学2年生のとき、愛知県の岡崎から、現在の住まいのある、東京都あきる野市に引っ越してきた。父親は内科医院を開業するために、あきる野市に来たのだ。父親は若い時から油絵を趣味としており、絵が好きだった。
あきる野の家から、車で40分くらいのところに玉堂美術館があり、父親に連れられて、わけのわからないまま、玉堂の絵を見ていた。
鳥の写生があって、ずいぶん上手な絵だなと思った。その記憶だけは鮮明に残っていた。
今回、55年ぶりに、玉堂美術館を訪れた。コロナ禍で訪れる人はほとんどいない。同じ絵ではないと思うが、
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