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『 Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える 』

米山公啓

Dr.よねやまの芸脳生活

芸術家の生き様を医学で考える

米山公啓

第六回 夏目漱石と胃病 ③

運が影響する病気の治療

もし、漱石がタバコをやめていたら、胃潰瘍で死ぬことはなかったかもしれない  画/米山公啓

漱石は大正5年12月9日、胃潰瘍で亡くなっている。

いまの時代、胃潰瘍が命取りになるとは信じられないことだが、当時の医学からすればそれはあり得ることだった。そこにはいくつかの原因が重なっている。

漱石の病気でもうひとつ有名なものに、神経衰弱がある。いまでは死語であるが、明治時代には神経を病んでしまうとそんな呼び方をされた。

症状からすれば、うつ病と考えるべきではないかと思われる。

ロンドン留学中に、閉塞感と孤独で、うつ病になったと想像できる。自殺の危険もあると思われ、帰国命令が出てしまう。

さらに、日本に帰ってきてからは、暴言をはくなどの症状が続いていた。感情のコントロールができないでいたようだ。さらに幻聴や幻覚もでている。

こうなってくるとうつ病だけではなく、ほかの精神疾患も考えなければいけないが、きちんと診断はされていない。

当時、東京帝国大学医科大学精神病学教室の教授である呉秀三が漱石を診察しているが、はっきり診断をつけてはいない。ただ漱石のような症状は一生治るようなものではないと言っている。

精神的ストレスの多い状況であったが、明治37年くらいには、精神の症状はおさまっている。

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