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『 鬼ものがたり 』

桑原茂夫

鬼ものがたり

桑原茂夫

第4話

妖しい手箱 編

絵 東學

たまたま出会った女から、もうひとりの女に届けてくれと頼まれた手箱の中に、とんでもないものが納められているのを見てしまい、その女たちにとってわたしは、大切な秘密をのぞいた男として、いずれ抹殺されること必定。すでにふっと気が遠くなることしばしばで、早くこのことを然るべきお方にお伝えしておこうと、はせ参じた次第です。

   ●

わたしがやんごとないお方のお使いで、都を三日ほど離れての帰路、従者とともに馬を急がせ、都に戻る「一の橋」を渡ろうとした夕暮れ時のことです。橋の途中でどこからともなく、ひとのすがたがあらわれました。

長い髪を胸の前に垂らしたつやっぽい女がひとり。ありえないこと、おそろしいこと、とは思ったものの、いっぽうで、そのまま通り過ぎるともっとひどい災厄を招きかねないという、妙な予感もはたらいて、思わず手綱を引いて、速度を緩めました。

すると女は「お願いしたいことが……」と、ひと言。

同時に、じーっと馬上のわたしを見つめる女の目が真っ青に染まっていきました。否も応もなく

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