「行乞記」「其中日記」
町田康
「行乞記」「其中日記」
町田康
古から現代に至るまで、なんやら日記、という本は仰山出ているが、その中でも山頭火が遺した「行乞記」「其中日記」は突き抜けて興味深いものに、俺なんかは感じる。
なぜそう思うかというとそこに噓がないからで、ここには思ったこと・感じたことについても、それを言葉として自分の外に出したら、なんだかわからないがどえらいことになるのではないか、なんてことについても、変に曲げず直球で書いてあるからである。
どういうことかというと、例えば俺なんかであれば、「やっぱなんやかんや言うて歩行禅やで。とにかく歩いたらええねん」
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