楸邨山脈の巨人たち
北大路翼
楸邨山脈の巨人たち
北大路翼
第五回 強靭な静寂 森澄雄(二)
かなしきほどに
昭和四十五年、主宰誌「杉」創刊。森澄雄五十一歳、充実期と言ってもよいだろう。句集も順調に刊行されていく。
素足にてひひな祭の夜の畳
鶏頭をたえずひかりの通り過ぐ
湖に陽のひかりをつめて冬に入る
白をもて一つ年とる浮鷗
(すべて『浮鷗』昭和四十八年刊)
畳の感触のよろしさ。足の裏まで気が通っている気がする。
登録初月は無料
ここから先をお読みいただくには
会員登録をお願いいたします
登録をすると、創刊号(2020年2月1日号)からのバックナンバーをすべてお読みいただけます。