いつだって、どこででも ──共感の青い山
古川富章
いつだって、どこででも
――共感の青い山
古川富章
種田山頭火は、尾崎放哉と並んで、自由律俳句の代表的俳人として知られている。
山頭火と言うと、一般的にはらーめん屋さんの方が有名だが、こちらが元祖である。
それにしても、自由律俳句というのは聞き慣れない、という人もいるだろう。
それは五七五の十七音や、季語や切れ字などの形式に縛られることなく、心に思うまま、自由な音律で詠む俳句のこと。
それでもまだピンとこない、という人でも、
分け入っても分け入っても青い山 山頭火
咳をしても一人 放哉
と聞けば、「ああ、教科書で読んだあれか」と思い出してくれるかもしれない。
山頭火のことをあまりよく知らない人に、ごく大雑把に紹介すると、明治十五年に山口県防府で生まれ、
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