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『 俳句で味わう、日本の暮らし 』

黛まどか

俳句で味わう、日本の暮らし

黛まどか

第二回 社日

〝社〟は、土地の神のこと。春分に最も近い(つちのえ)の日を「社日」または「春社」とし、産土神(うぶすながみ)を祀り、五穀の種を供えて農作物の成長を祈願する。戊は十干(じっかん)の一つで〝土の兄〟とも書き、陰陽五行説の〝土〟に配される。中国より渡来した習俗だが、日本では〝田の神信仰〟と習合して各地に広がった。

土地の神・田の神は、春社に天より(くだ)るとされるため、土や農事にまつわる禁忌も多く、この日は土を掘ったり農作業をしたりすることを禁じ、人が集って社日講・地神講をする地域が多くあった。また祭場には種物や農具が売られる市が立った。地方によっては、鍛冶屋が農耕具の注文を取りに農家を訪ねる風習もあった。

社日の風習が全国的に消えつつある中で、徳島県では今でも多くの神社が社日祭を執り行っている。阿波藩では天明の大飢饉を受けて、寛政元年に各村浦の神社や広場などに地神塔を建立させ、社日には祭礼を行うことを命じた。社日には氏子が集い、農家は農作業を休んで、地神祠に酒や食べ物など供え物をして宮司を迎え祝詞を捧げる。

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