SNS(喧騒)から少し離れて
上田岳弘
SNSから少し離れて
上田岳弘
思い返してみれば、繰り返して読む本はエッセイが多かったような気がする。僕が高校生だった25年ほど前、――それにしてももう四半世紀も前のことになるのか、時が経つのはおそろしく速いな――建設中の図書館の近くの溜め池のベンチで、缶コーヒー片手に寝転んだり座ったりと体勢を変えながらよくエッセイ本を読んでいた。集中して読む読書とは別のモードの時によくそこに行った。当時は多くの人がエッセイ本を出していた。作家の書いたものや、脚本家の書いたもの、
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