コロナ禍、路上の「野戦病院」
雨宮処凛
コロナ禍、路上の「野戦病院」
雨宮処凛
「死ねってことでしょうか」
この2年近く、何人かから聞いた言葉だ。
いずれも現場は、コロナ禍による困窮者支援の相談会や炊き出しなど。
派遣の仕事を切られ、寮も追い出されてホームレス状態になってしまい、役所を訪れたのに「若いから働ける」と追い返された若者から。日本で職を失い、帰国するお金もなく、しかし、この国の公的福祉の対象外という外国人から。10年近くにわたってネットカフェ生活を続けてきたものの、携帯電話が利用停止となり、日雇いの仕事にもありつけなくなったという40代の人から、絞り出されるように発せられたその言葉を聞いた。
2006年から15年間にわたって、この国の貧困の現場を取材し、また生活保護申請同行などの支援活動を