俳句で味わう、日本の暮らし

黛まどか

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黛まどか

第十四回 灌仏会

旧暦四月八日、釈尊誕生を祝して行う法会のことで、〝仏生会〟〝誕生会〟〝降誕会〟とも呼ばれる。悟りを開いた十二月八日の成道会、命日の二月十五日と並んで釈尊三大法要とされる。現在は新暦の四月八日に行う寺がほとんどだ。

寺々では、花で飾った小さな花御堂を境内に置き、その中に天と地を指さした銅製の誕生仏を安置する。参詣者は小柄杓で甘茶を仏像の頭上に注ぐ。釈迦が生まれた日に神々が祝福して〝甘露の雨〟を降らせ、その産湯に浸かったことに因む。〝灌〟は注ぐという意味。この日に甘茶を飲むと病気をしないとされ、参詣者には甘茶が振舞われる。昔は、竹の筒に甘茶を入れて家に持ち帰り、こどもの頭に付けて成長を祈ったり、甘茶で墨を磨り「千早振る卯月八日は吉日よ神さけ虫を成敗ぞする」と紙に書いて台所や厠などに貼り、虫除けのまじないをした。

灌仏会は中国では七、八世紀頃に普及。日本でも九世紀には宮中で行われていたようだ。庶民に広まったのは江戸時代のこと。

もともと日本では旧暦四月八日は、〝卯月八日〟と言い、田に入ることを忌み、霊山(もしくは付近の高い山)に登って神を拝み、花を摘んでかざして家に持ち帰り、田や庭先に飾るなどして、山の神を田にお迎えする日であった。

西日本では山躑躅や空木、石楠花、樒、藤、山吹などの花を竿の先に束ねた「天道花てんとうばな」(〝八日花〟〝高花〟とも)を庭や門口に立てて田の神をお迎えし、豊作を祈願した。

灌仏会は日本古来の山の神信仰と渡来の仏教行事が習合したものだ。

灌仏会摘みしれんげはすぐしな

細見綾子

灌仏会に使われる花御堂は、麻耶夫人ぶにん無憂樹むうじゅの下で釈迦を産んだという伝説の藍毘尼ルンビニーの花園を模している。

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