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Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える

米山公啓

Dr.よねやまの芸脳生活

芸術家の生き様を医学で考える

米山公啓

第十一回 菱田春草と腎臓病

日本画改革のための挑戦

春草を知らなくても「黒き猫」を知っている(見たことがある)人は多い。これは米山公啓作・「黒き猫」です

画/米山公啓

よほど絵に詳しい人でないと、日本画と言っても東山魁夷とか横山大観くらいしか思いつかない。昔、私の医局の同僚が、「祖父が売れない絵描きから、家賃代わりにもらった絵があるんだ」とありがちな話をして、画家の名前を見たら安田靫彦とあった。「だれだ、それ」ということになり、美術年鑑で調べて、とんでもなく有名な日本画家と知って驚いたということがあった。まったく、分野が違ってくると国宝級であっても、知らない世界である。

洋画に比べて、日本画はよほど絵が好きな人でないと、歴史的なもの、古いものとして考えてしまう。

菱田春草は、日本画を変えようと、すべてをかけて36歳で亡くなった。それを横山大観などの有能な仲間が引き継ぎ、昭和まで日本画の改革を続けた。

しかし、なぜ日本画を変えなければいけなかったのだろうか。前回の黒田清輝がヨーロッパから油絵の技術を持ち込み、日本の油絵の世界を変えていったこととは少し意味が違っている。というより、菱田春草は日本画を変えたいという強い意志があり、世界に通用する日本画の未来を考えていた。

音楽も絵画も一部の天才たちの努力があって、現代に引き継がれている。

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