Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える
米山公啓
Dr.よねやまの芸脳生活
芸術家の生き様を医学で考える
米山公啓
第十八回 尾崎紅葉と胃がん ③
売れてからの生き方
紅葉は最後、病名を知りながら亡くなった
画/米山公啓
紅葉は「金色夜叉」の大ヒットで、一躍文壇のスターとなった。
しかし、大ヒット作品がでてしまうと、それを超える次の作品を作るのは非常に難しくなる。
絵画や小説は一度、売れると同じような作品を作っていくことが多くなり、アーティストとしての価値が落ちていってしまう。
絵画は特にそうであろう。日本の画壇で、一度地位を築いた作風を壊してまで、新しいことに挑戦した画家は数えるほどしかいなかったのではないか。
作家にも同じようなことが言える。
紅葉は明治30年(1897年)に「金色夜叉」の連載を開始して、9月からは「後編 金色夜叉」
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