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特集とりとめな記

特集編集班

特集とりとめな記

眠以子

今号は、「戦争」が特集テーマである。

通常、毎号のテーマ会議は真剣ななかにも比較的なごやかにすすめられるが、8月1日号については編集部全員がこの二文字を厳粛に受け止め、これまで文学が「戦争」をどう描いてきたか、現在活躍している作家たちにどう書いてもらいたいか、早い段階から時間をかけて話し合った。

編集部には幅広い年代のスタッフが集まっているが、世間一般においても「戦争」と言えば、日本が世界で唯一の被爆国となった第二次世界大戦を指すのがこれまでの常であったと思う。

しかし2022年に入って、ロシアによる隣国ウクライナへの「軍事侵攻」があり、「戦争」の様相が変わってしまった。この事態は、編集後記を書いている現時点でもまだ終息の兆しすら見えていない。

書き手についてさまざまな候補があがるなか、私は何としても上田岳弘さんに書いていただきたいと思った。

今年の2月1日号で、コロナウィルスとの共生を余儀なくされた世界についてエッセイをお願いしたとき、上田さんは「目に見え、手に触れられるものを材料にして、表層を越えた場所に手を伸ばすこともまた、僕たちは言葉でやろうとしてきたのだけれど。」と書いている。

私はこの一文を読んだときに、上田さんをはじめとする作家たちがなぜ小説や詩を書くのか、それらを通して何を摑もうとしているのか、そこに挑む覚悟、業のようなものを強く感じた。

今回の依頼も上田さんは快諾してくださり、トルストイやドストエフスキーの読書経験から、「戦争」と「平和」を無自覚に対峙させてきた私たちの凝り固まった思考に問いを投げかけている。そして、「戦争」とは何か、その対義語は何かということについて、静かで深い言葉で綴っている。

上田さんは今回の依頼にあたって、ご自身が「戦争」についてどう感じているか整理することができた、とやりとりのなかで伝えてくださった。

私たちが「戦争」と思い込んでいるものは、果たして何なのか。

上田さんや山折哲雄さんの言葉からひとりひとりがあらためて考え、感じる機会としてこの特集を読んでいただけたら、と心から願う。

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春陽堂書店Web新小説編集部

バックナンバー (2022年8月1日号)

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春陽堂書店Web新小説編集部

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編集後記 (2022年8月1日号)

気まぐれ編集後記

高齢者に生死の選択権を与える近未来映画「PLAN75」を見て考える

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