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Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える

米山公啓

Dr.よねやまの芸脳生活

芸術家の生き様を医学で考える

米山公啓

第七回 森鷗外と肺結核 ①

軍医になる

文化人切手で高値が付く西周(左)と森鷗外    画/米山公啓

明治以降、医者で作家となった最初の人物と言えば、やはり、森鷗外ということになるだろう。

医者をしながら作家業をしている場合、途中で完全に医者を辞めてしまうことが多いが、森鷗外は定年になるまで軍医を勤め上げながら作品を書き続けた。それだけに常に周囲との軋轢があったようだ。

比較するのはまったく申し訳ないが、私も医者をしながら作家業をしている。大学病院では20年間勤務をする中、途中からエッセイやら小説を書き始めた。

だからこそ、周囲からの様々な反応が想像できるし、軍部の中でそれをやり通した鷗外のストレスは大変なものだったはずだとわかる。共感もするし、尊敬せずにはいられない。

鷗外の家は代々、津和野藩の典医で、父・静男は旧藩主・亀井茲監に招かれ、亀井藩の典医となった。

鷗外はその長男として生まれる。生地は津和野藩が領有していた石見国津和野、現在の島根県鹿足郡津和野町である。

家系的には当時のエリートの家族であり、医者になる道はできあがっていた。しかし、それ以上のものが求められたはずだ。

医学部に通う学生の親が医者という割合はどれくらいかというと、国公立の医大では30%、私立医大にいたって

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