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『 エピソードで知る種田山頭火 』

春陽堂書店編集部

エピソードで知る種田山頭火

自由律俳人、漂泊の人生早わかり

春陽堂書店編集部 編

出家得度してのち、大正十五年四月、行乞流転の旅が始まった。昭和十五年に松山の一草庵でころり往生をするまで山頭火はさすらい続ける。

その十 行乞流転

 山頭火は母の位牌を風呂敷包みの底に入れて背負っていたという。多くの寺を巡ったのは母を弔う気持ちもあったかもしれない。

この旅、果もない旅のつくつくぼうし

 昭和五年十月九州行乞の折、焼酎を引っかけほろ酔い気分で歩いていると、通りがかった男が山頭火を僧と認め「道とは何でしょうか」と問われる。これに答えて、「道は遠きにあらず近きにあり」。男はこの答えに満足したらしく、お辞儀して立ち去った。

 後に山頭火はこの経験に触れ、「道は前にある、まっすぐに行こう。――これは私の信念である。(中略)句作の道――道としての句作についても同様の事がいえると思う。」と記している。

まつすぐな道でさみしい

文とイラスト/もろいくや

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