Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える
米山公啓
Dr.よねやまの芸脳生活
芸術家の生き様を医学で考える
米山公啓
第十七回 尾崎紅葉と胃がん ②
連載というストレス
「金色夜叉」では外せない、貫一が、お宮を足蹴にして立ち去るシーン
画/米山公啓
明治22年、紅葉21歳のときに読売新聞社に入社してから、順調に作家として連載を続けていく。
明治24年、「むき玉子」の連載を読売新聞で開始している。3月に牛込区横寺町に転居、生涯ここに住むことになる。樺島喜久と結婚している。
10月には泉鏡花が入門している。泉鏡花は1年間、紅葉に会うのを躊躇して、故郷に帰る直前に紅葉に会って、入門を許されている。しかし、知らない男がやってきて、すぐに入門を許すというのはあまりに唐突な話である。実際には紅葉は鏡花の文章を読んでいて、能力のあることを知っていたと言われている。
でなければ、初対面の怪しげな作家見習いを、自分の家に住まわせることなどないであろう。
泉鏡花にとって生涯、
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