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逢坂冬馬氏インタビュー

宮川匡司

女性兵士ならではの葛藤を描く

逢坂冬馬氏インタビュー

逢坂冬馬氏のデビュー作『同志少女よ、敵を撃て』は、2021年の第11回アガサ・クリスティー賞の受賞作だ。昨年11月に早川書房から刊行された単行本は、今年4月、2022年本屋大賞にも選ばれた。版元によれば、5月中旬までに25刷、電子書籍約1万部を合わせて、発行部数47万部に達するベストセラーとなっている。 第二次世界大戦中の独ソ戦を、前線に行った女性兵士の立場から描いた長編への思いを、逢坂氏に聞いた。


聞き手は宮川匡司


©早川書房


日本で語られる機会が少なかった独ソ戦

 ―― どうして独ソ戦を題材に取り上げようと思ったのでしょう。

独ソ戦は、これまで日本では、あまり語られる機会が少なかったというのが大きな動機でした。第二次大戦の中で、その規模からも中心的な戦争となったのが独ソ戦でしたが、日本で第二次大戦を語ると太平洋戦争と、ヨーロッパに関してはノルマンディー上陸作戦後の、アメリカを中心とする連合軍とドイツ軍との戦いをイメージされることが多い。とりわけ、ソ連側からの視点で独ソ戦を取り上げる日本の小説は、ほとんどなかったように思う。
 また前線の戦闘に女性兵士を組織的に投入したのは、ソ連が最初だったといわれているが、これも日本の中ではあまり語られてこなかった。これほど突出しているにもかかわらず語られてはいない事柄に注目するのも、小説の役割ではないか、と考えました。

無理解にさらされた女性兵士の証言

 ―― 主人公を女性兵士にした具体的な理由は?

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