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『 伝統と破壊の哲学 』

増田伸也

伝統と破壊の哲学 Vol.1

「なぜ僕は写真で世界を目指すのか」

増田伸也

HANAFUDA SHOUZOKU#3, 2017, Shinya Masuda

「四角いたてがみのライオン」

少年時代の僕は、転校を何度か経験した。不思議な事に、通った学校によって図工の評価が全く違う。10段階評価の10か1、つまりホームランか三振かという成績だった。
小学校1年のある日、こんな授業があったのを覚えている。黒い厚紙を切り抜いて、裏側にカラーセロハンを貼り付け影絵を作るという趣旨だった。僕はなぜか迷わずに四角いタテガミのライオンを作り、クラスのみんなをあっと驚かせた。それを見ていた先生が、僕の予想外の言葉を放った。
「増田くん、それだけではつまらないね。まだ時間もたっぷりあるし、もっとやりなさい」と。
褒められるとばかり思っていた僕は、がっかりするどころか、その一言で燃えた。ここで増田少年は創作への情熱をあらぬ方向へ向かわせる。それはわかりやすく言うと「ヤケクソ」だった。四角いタテガミのライオンの胴体部分に何を思ったか、1+1=2とか2+2=4と刻み込んだのだ。

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