漱石クロニクル ―絵で読む夏目漱石の生涯―
大高郁子
漱石クロニクル
―絵で読む夏目漱石の生涯―
大高郁子
第十八回 則天去私―空中に独り唱う白雲の吟
大正五年(一九一六年)四十九歳
鏡子・三十九歳、筆子・十六歳、恒子・十四歳、栄子・十二歳、愛子・十歳、純一・八歳、伸六・七歳。
元日、漱石山房は門下生達で賑わう。夕飯に恒例の川鉄(牛込区肴町二十七番地、現在はない)の合鴨の鍋をふるまう。
修善寺の大患以来、毎年病気をしているため、髪も口髭もめっきり白くなり、老け込む。
一月二十八日から二月の初めまで、リウマチ治療のため、田中清次郎、中村是公と共に、湯河原の天野屋に転地療養する。
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