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『 伝統と破壊の哲学 』

増田伸也

伝統と破壊の哲学 Vol.2

「なぜ僕は写真で世界を目指すのか」

増田伸也

HANAFUDA SHOUZOKU#58, 2018, Shinya Masuda

「孤独な鯛」

少年時代、僕にとっての生き甲斐とは周りのみんなをあっと驚かせる事だった。
めでたく小学2年生となったある日、突然転校することになった。
1年生の時の図画工作で妙な自信をつけてしまった僕は、新しいクラスでも旋風を巻き起こしてやろうと燃えていた。
ところが、またしても図工の時間に思いもよらぬ事態が起きる事となる。
とある日の授業で、箱の中に紙粘土で立体を作り、色を塗るという課題を与えられた。
「作品が出来上がったら、前の台に置いてくださいね。最後に先生が見にいきますから。」
いつものようにアイデアはすぐに舞い降りてきた。僕はあっという間に傑作を生み出す。
台に作品を置きながら、にんまりほくそ笑んだ。我ながら、なんてウィットに富んでいるんだろう。
そのうち、他の生徒たちも作品を完成させたようだ。ずらりと並べられた作品の一つひとつに先生がコメントしていく。
そして、良い作品を作った生徒は、先生の前に呼ばれクラスみんなの賞賛と羨望の嵐をあびた。

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