楸邨山脈の巨人たち
北大路翼
楸邨山脈の巨人たち
北大路翼
第十八回 天才的直観 田川飛旅子(二)
「作る」句
俳句を作るときの表現で、その人の作句姿勢がわかることがある。
もっとも一般的なのが「詠む」であろうか。短歌でも詠むというので、短詩全般に通じる表現だ。声に出して詠むというニュアンスが含まれている。口誦の文学と呼ばれる所以もここにある。
そしてよく使われるのが、「ひねる」だ。これは、江戸時代の俳諧の影響だろう。滑稽味を主眼とした俳句には、なるほど、ひねりがよく効いている。一ひねり、二ひねりしたところに面白さを見出すのである。
ぐっと他力本願になってくると「授かる」。じーっと自然を見つめていると、一句が天から降りてくるという、
登録初月は無料
ここから先をお読みいただくには
会員登録をお願いいたします
登録をすると、創刊号(2020年2月1日号)からのバックナンバーをすべてお読みいただけます。