谷川俊太郎×三角みづ紀スペシャルオンライン対談と朗読公開中!  今すぐチェックする

『 俳句で味わう、日本の暮らし 』

黛まどか

俳句で味わう、日本の暮らし

黛まどか

第十回 正月事始

旧暦の十二月十三日(地域によっては十二月八日)に、正月の諸準備にとりかかること。御事始、正月始、十三日祝とも。現在は新暦で行われている。

煤払、松迎え、餅つき、年木樵、飾作り、御節料理の用意、春着の支度など、新しい年に年神様を迎えるために、年の内から少しずつ準備を始める。十二月十三日は暦注・二十八宿の鬼宿日で、嫁取りのほかは万事に大吉とされていたため、年用意を始めるのにふさわしい日とされた。

正月事始の最初に行うのは煤払、つまり大掃除のこと。起源は平安時代の宮中まで遡るが、江戸時代になると江戸城で十二月十三日に煤払をしていたことから、庶民もそれに倣った。囲炉裏や竈、行灯の使用によって家の中に溜まった一年分の煤を払い、穢れを落して清める神事的な行事でもある。大店では煤払が済むと主人を胴上げして宴を開き、祝儀酒が振舞われたという。この日を〝煤取節供〟と称して、煤払が終わった後に餅や団子、赤飯などを神棚へ供え、家族で食べる地域もあった(〝煤の餅〟〝煤団子〟)。煤湯は煤払の後に入る風呂のこと。

関西では、花柳界や芸能の世界で、事始に師匠や家元へ鏡餅(事始の餅)を持って挨拶に行く風習がある。弟子から師匠へ、分家から本家へ年末の挨拶をする〝歳暮〟の贈答も、この日に始まる地域が多い。

京なれやまして祇園の事始

水野白川

京都祇園甲部では、芸妓や舞妓が一重ねの鏡餅を持って、

ここから先をお読みいただくには
会員登録が必要です。

最新号のコンテンツ

連載 エッセイ (2020年11月号)

寺子屋山頭火

生涯を通じて山頭火の人格に影響を及ぼした、幼い頃の衝撃的な出来事

連載 動画 (2020年11月号)

オンライン対談「詩人が語る今」

60分スペシャル番組谷川×三角オンライン対談と朗読「詩人が語る今」

谷川俊太郎×三角みづ紀

連載 連載詩 (2020年11月号)

最少の言葉で詩作する試み

言葉の氾濫へのアンチテーゼか。詩人が語りかけるミニマムの言葉

谷川俊太郎

連載 連載詩 (2020年11月号)

週末のアルペジオ

私たちはみな待っている。ひそかに紡がれた変化が、静かに芽吹く日を

三角みづ紀

連載 フォト小説 (2020年11月号)

スーパーフィッシュと老ダイバー

クララにもういちど会いたい。ハンスが叫ぶと海に鮮やかな色が蘇った

連載 エッセイ (2020年11月号)

俳句で味わう、日本の暮らし

煤払、松迎え、餅つき、年木樵。着々と進む正月準備を歌う句を鑑賞

連載 回想記 (2020年11月号)

旅する少年

極寒の大地の洗礼を受けながらも「傷だらけの天使」最終回を見る

連載 医学ミステリー (2020年11月号)

Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える

人間関係が人生を変える。幸運を運ぶ一方、命取りとなった漱石の人脈

連載 スポーツ随想録 (2020年11月号)

スポーツは文芸をどのように彩ってきたか

沢木耕太郎の活躍がスポーツ・ノンフィクションに新たな時代を拓いた

連載 妖異譚 (2020年11月号)

鬼ものがたり

誘われるまま入った庵で交わった女。彼女が一人語る恐ろしい告白……

連載 アート&エッセイ (2020年11月号)

伝統と破壊の哲学

出口さんが黒い紙に描いた赤い雪だるま。すごいぞ! 僕は歓喜した

連載 新人デビュー小説 (2020年11月号)

愛のレシピ:23歳

どん底から救い上げてくれる魔法のスープ、玉子雑炊に込められた想い

連載 動画 (2020年11月号)

Dr.よねやまの芸脳生活

「漱石に学ぶ病気と運」Dr.の必見役立ちレクチャー好評配信中

連載 動画 (2020年11月号)

町田康のパンク山頭火ラヂオ

徒然なるままに山頭火を語る町田版自由律YouTube。必見の第2弾

Web新小説会員登録はこちら