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『 愛のレシピ:23歳 』

下平咲

愛のレシピ・・23

下平咲

救いようのないゆで卵

私はストイックなところがある。
摂食障害になったのも、その性格が大きく関係していると思う。

私が進学した赤穂高校は、あまり偏差値の高い学校ではなかった。
私の家系はみんな頭が良かったため、男は一番偏差値の高い伊那北高校に行き、
女は二番目に偏差値の高い弥生高校に行くのがお決まりだった。

赤穂は三番目と言われていたが、それでも伊那北に行った兄にとって
「赤穂はバカ穂」であり、おばあちゃんもそれを聞いて笑っていた。

弥生を受験して落ちるほど学力が無かったわけじゃないが、
勉強が好きでもない上に、あまりパッとしない弥生の制服を着て、
家から徒歩20分ほどの、今までと変わらない通学路で高校時代を過ごすことに
当時の私は魅力を感じることができなかった。

受験勉強を必死にしてまで、弥生に行きたいとは思えなかったのだ。


赤穂は私の住んでる所から電車で1時間弱のところにあった。

少女漫画を読んで育った私は、電車通学という言葉に心が踊った。
また、赤穂高校は私服校だったため、生徒の大半は〝なんちゃって制服〟を着ていた。
いかにも高校生!な色とりどりのチェックのプリーツスカートや、ピンクやココア色のカーディガン、スタイリッシュなデザインのブレザー、全体のバランスに合わせて選んだリボンやネクタイを身につけ、淡く儚い青春時代を駆け抜ける若者たちの姿こそ、私の憧れだった。

家族に馬鹿にされないように、親戚の目を気にしなくてもいいように、私は猛勉強をした。
赤穂なら今の学力のままで受かることは分かっていたが、妥協して赤穂に進学したと誰にも思われたくなかった。

無事赤穂に合格し、私は憧れの高校生になれたのだった。
高校では好きなことを思い切りやりたいなと期待で心を膨らませていた。

入学してすぐ、部活見学が始まった。

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