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『 Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える 』

米山公啓

Dr.よねやまの芸脳生活

芸術家の生き様を医学で考える

米山公啓

第三回 島村抱月とスペイン風邪 ③

松井須磨子の死

女優として波乱に満ちた人生を駆け抜けた松井須磨子   画/米山公啓

1918年11月5日に抱月がスペイン風邪で死亡してから、2ヶ月後に、女優・松井須磨子は後追い自殺をした。

当時としては売れっ子女優の自殺は、かなり衝撃的なものであったはずだ。後から述べるように、松井須磨子もある意味、スペイン風邪の犠牲者と言えるだろう。

松井須磨子は長野県に生まれ、17歳のとき、上京。女優になるために、鼻筋に蝋(ろう・パラフィンの一種)を注入する隆鼻術(美容整形手術)をしている。だから、日本初の整形美人女優と言われる。18歳のとき離婚をして、1908年(明治41年)、同郷の埴科坂城町出身の前沢誠助と二度目の結婚をする(1910年10月に離婚)。

須磨子の女優になりたいという願望は非常に強く、あらゆることを犠牲にして、それに向かっていく。決して学歴があったわけではない。苦手な英語なども、徹底的に努力してなんとかマスターしていく。

「とにかく女優になるのだ」という意識の強さが、結局、抱月を動かすことにもなる。

「何かを成し遂げたい」

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