コロナを体験した「群れ」の歩む道、その方向性について
梨木香歩
コロナを体験した「群れ」の歩む道、その方向性について
梨木香歩
去年二〇二一年の秋。
衆議院選挙が終わり、しばらくして、自分でも驚くほどダメージを受けているのに気づいた。選挙前はずっと、新型コロナウイルスの感染拡大をはじめとする様々な危機的状況を受けて、多くの人びとの間に自らの声を上げようとする動きがより顕在化するであろうという、いわば「何かが起きる予感」がしていたのだと思う。しかし投票率は結果的に戦後三番目の低さになっていた。そのことによって、自分のことながらなぜこんなに、と不思議に思うほどの脱力感にみまわれたのだった。
今更言うまでもないことだが、選挙権は、人間の自由や平等を尊ぶ精神に基づいて、強者から弱者にごく
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