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『 スーパーフィッシュと老ダイバー 』

岡本行夫

スーパーフィッシュと老ダイバー

岡本行夫

11章 遙かにつづく珊瑚の海 ― 愛

その日、ハンスとピーターは、ラスモハメッド岬の頂上にいた。この高台からは、地球上がぜんぶ見えるくらいの視界が開けていた。

左側には、まぶしい太陽光に完璧に照らされた絶壁が、雲のない真っ青な空の下を、無限につづいていた。右側には、シャーク・リーフとヨランダ・リーフがあって、その上を白い波が走っていた。

ふたりは、飽くことなく、目の前の海をながめていた。

「おじさん、きれいだね」

紅海のたたずまいが、ピーターのこころを開いていた。

ハンスは、静かに話しはじめた。

「ピーター、わたしたち人間は、ものすごい勢いで、この地球を壊してるんだよ。地球は、誕生してから四十五億年かかって、ここまで来た。

今の人類が現れたのは、二十万年前だ。二十万年って、長いようでも、地球の歴史を一日とすれば、その二十四時間のうちの四秒もないんだよ。

人間が初めて文明を持った六万年前から数えれば、まだ一日のうちの一秒ぐらいしか、たってないんだよ」

ピーターはおどろいた。

「えっ? 一日のうち、たったの一秒?」

「でもな、ピーターが図鑑に描いた魚たち。かれらは、

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