Looking for 鷗外
伊藤比呂美
Looking for 鷗外
伊藤比呂美
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映画を研究するDさんから、花子についての論文と花子の映画とが送られてきた。ロシア製の無声映画が2本だった。
1912年から1913年にかけて、花子とその一行がロシアで巡業した際に、ル・フィルム・ルス(フランスの映画会社パテのモスクワ支社が母体だった)で制作されたものだ。
La Petite Geisha(Kai Hansen and Yakov Protazanov? 1913)
L' Honneur d' une Japonaise(Yakov Protazanov? 1913)
その論文は、(花子より前の)川上貞奴の死の場面に言及し、花子の死の演技にも言及してあった。あの頃の日本発の芸人たちは、みな死の表現を売り物にしていたのか。
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