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『 銭湯放浪記 』

大和久勝

銭湯放浪記

大和久勝

第8回

新幹線に乗って「京都」

イラスト 木下綾乃

遠方にある銭湯を目的にして出かけていくことはなかった。東北や北海道、沖縄の銭湯にしても、仕事の後や旅の途中で立ち寄ったものである。それが、初めて、新幹線に乗って京都に、銭湯目的で出かけて行ったのだった。

きっかけは、東京の下町、足立区北千住駅近くの「大黒湯だいこくゆ」に行ったことからである。大黒湯は、銭湯好きな人たちから「キングオブ銭湯」と言われている。昭和4年(1929年)に建てられた本格的な宮造りの木造建築で、外観が二条城二の丸御殿の印象と似ているのだ。唐破風には鳳凰と大黒様の彫り物があり、これもまた、しばし眺めるしかなかった。

そして、中に入ってまたまた驚き。高い天井。しかも格子天井で、花鳥風月の彩色絵が一枚一枚に描かれている。

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