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スーパーフィッシュと老ダイバー

岡本行夫

スーパーフィッシュと老ダイバー

岡本行夫

第5章 光のなかから呼ぶ声―啓示

太陽の光は、空から海にさしこむ。途中には、なにも存在しない。だからジョージは、空と海のほかに、人間が住む陸の世界があることは知らなかった。

海中の人間を見て、あの生きものはどこから来るのだろうと、思っていた。

人間の世界について教えてくれたのは、イルカたちだ。かれらときたら、海から顔を出して町のようすを見るだけではない。人間が打ちあげる花火まで楽しむ。海のなかで人間と遊ぶこともある。マリンパークにいるイルカやバンドウクジラたちは、人間社会のなかに入りこんでいる。

しかし、ジョージは、人間がきらいだった。

人間たちは船でやってきて、魚を釣る。それは異様な光景だ。すべてが、ゆったりして、ゆらゆらと動いている海のなかを、針にひっかかった魚は、海面にむかって、猛烈なスピードで上っていく。海中には直線的な動きがないから、自然界にないその情景は、いっそうきわだつ。

そればかりではない。人間たちは、機械の力を借りて、海の世界に潜ってきて、水中銃で魚たちを殺していくのだ。

ジョージは、人間が、ひとり残らず海からいなくなってほしいと思った。

仲間たちに呼びかけた。

「みんなで、人間を追いだそう!」

だが、だれも振りむかなかった。

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