登録初月は無料、バックナンバー【作家55人、連載回数400回】も読み放題! 会員登録はこちら  今すぐチェックする

  • ホーム
  • バックナンバー
  • 漱石クロニクル ―絵で読む夏目漱石の生涯― 第十六回 『私の個人主義』ー自己が主で、他は賓である

漱石クロニクル ―絵で読む夏目漱石の生涯―

大高郁子

漱石クロニクル

  ―絵で読む夏目漱石の生涯―

大高郁子

第十六回 『私の個人主義』―自己が主で、他は賓である

大正三年(一九一四年)四十七歳

 一月七日、『行人』が大倉書店から出版される。橋口五葉装幀、一円七十五銭。

 一月十二日、午前十時頃、桜島が大噴火する。溶岩が流出し、大隅半島と地続きになる。鹿児島の降灰四十五センチ、二日後には、東京にも降灰する。鹿児島に住むマードックのことを心配し、野間真綱(七高教授)へ電報を打つ。後日、無事との返電が届く。

 二月、山本有三ゆうぞう、豊島与志雄よしお、芥川龍之介、菊池寛、久米正雄、松岡ゆずる、成瀬正一等が、第三次『新思潮』を創刊する。

 三月、相変わらず神経衰弱である。
 三月二十九日付、津田青楓宛の手紙より
《私は馬鹿に生れたせゐか世の中の人間がみんないやに見えますそれから下らない不愉快な事があると夫が五日も六日も不愉快で押して行きます、丸で梅雨の天気が晴れないのと同じ事です自分でも厭な性分だと思ひます(中略)
 世の中にすきな人は段々なくなります、さうして天と地と草と木が美しく見えてきます、ことにこの頃の春の光は甚だいのです、私は夫をたよりに生きてゐます》

 四月十四日以降、『こゝろ』を起稿する。(四月二十日より「東京朝日新聞」と「大阪朝日新聞」に「心 先生の遺書」の連載が始まる)

登録初月は無料

ここから先をお読みいただくには
会員登録をお願いいたします

登録をすると、創刊号(2020年2月1日号)からのバックナンバーをすべてお読みいただけます。

最新号のコンテンツ

特集「見送りの時──介護の日々から」 (2022年5月1日号)

テル、の一生。

死に臨む認知症患者を小説に描いた永井みみ。介護に身を投じた理由は

特集「見送りの時──介護の日々から」 (2022年5月1日号)

「ケアの外注」の危うさの中で

コロナ時代のケア。「外注」頼りの私たちが直面する危うさと課題とは

(2022年5月1日号)

特集とりとめな記

特集で編集者が気付いたあれこれ

特集編集班

連載 連載小説 (2022年5月1日号)

猛獣ども

ままならない休日。心にわだかまるのは過去の恋愛か、同僚への屈託か

連載 エッセイ (2022年5月1日号)

町田康の読み解き山頭火

行乞から逃れるように友を訪ね、酒を飲む。そんな山頭火の羞恥と憂鬱

連載 ショートショート漫画 (2022年5月1日号)

しおり物語

思いがけない手紙は特別にうれしい。ふんわり温かな余韻が残る最終回

連載 俳句エッセイ (2022年5月1日号)

アマネク ハイク

瀬戸内の春の浜辺で拾った硝子のかけらには、遠い過去の記憶があった

連載 エッセイ (2022年5月1日号)

兼好のつれづれ絵草紙

へべれけの語源から始まる酔いどれ討論会、家飲みはこれだから楽しい

三遊亭兼好

連載 ウェブ絵巻 (2022年5月1日号)

漱石クロニクル ―絵で読む夏目漱石の生涯―

47歳で『心』を刊行、学習院では『私の個人主義』について大いに語る

連載 俳句鑑賞 (2022年5月1日号)

楸邨山脈の巨人たち

塩田夫や海女など「日本の原郷」を鮮烈に描いた沢木欣一の世界を鑑賞

連載 医学ミステリー (2022年5月1日号)

Dr.よねやまの芸脳生活 芸術家の生き様を医学で考える

経済的基盤と自己肯定感を武器に、実篤は多様な分野で理想を追求した

連載 エッセイ (2022年5月1日号)

江戸の愛猫

江戸期の旅の象徴、東海道五十三次。その宿場名を猫で表す傑作を紹介

連載 動画 (2022年5月1日号)

Dr.よねやまの芸脳生活

「まとめ! 明治の芸術家たちの生き様」~Dr.米山のYouTubeレクチャー第24弾

連載 動画 (2022年5月1日号)

町田康のパンク山頭火ラヂオ

徒然なるままに山頭火を語る町田版自由律YouTube。注目の第4回配信

(2022年5月1日号)

歌舞伎役者.坂東彦三郎朗読動画バックナンバーの部屋

坂東彦三郎が朗読。河竹黙阿弥の歌舞伎狂言12選 絵は辻和子

春陽堂書店Web新小説編集部

編集後記 (2022年5月1日号)

気まぐれ編集後記

ネットに溢れる誤解と悪意。たまには言葉なんか邪魔だと言ってみよう

春陽堂書店Web新小説編集部

登録初月は無料

Web新小説会員登録はこちら